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リスティング広告でよく使う指標の計算まとめ【広告運用の基本】

リスティング広告でよく使う指標の計算まとめ【広告運用の基本】
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※このページは2024年11月13日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「クリック数やインプレッション数の計算式を探している」
「CPCやCTR、CVRなどの指標について調べている」

この記事はそのような方向けに書いています。

運用型広告に携わり12年になりますが、リスティング広告の計算の仕方の情報を探している方が多かったので記事にしました。

結論から書くと、リスティング広告でよく使う計算式は以下のとおりです。

▼リスティング広告の計算式一覧
No 指標 計算式
1 クリック率 クリック数 / 表示回数
2 クリック単価 費用 / クリック数
(コンバージョン単価 × コンバージョン率)
3 コンバージョン率 コンバージョン数 / クリック数
4 コンバージョン単価 費用 / コンバージョン数
クリック単価 / コンバージョン率
5 クリック数 表示回数 × クリック率
費用 / クリック単価
6 コンバージョン数 クリック数 × コンバージョン率
費用 / コンバージョン単価
7 表示回数 クリック数 / クリック率
8 費用 クリック数 × クリック単価
コンバージョン数 × コンバージョン単価

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

クリック率(CTR)


クリック率とは、広告がクリックされた割合のことで、略語としてよくCTR(Click Through Rate)が使われます。

【クリック率の計算式】

クリック率の計算式の図

通常クリック率は高くなるように運用するのが基本ですが、高ければよいというわけではなく、適切なターゲットにクリックされているかが大切です。

【クリック率を上昇させるポイント】

  • 広告文を見直す
  • 「低」のアセットを見直す
  • 広告アセットを追加する
  • 既存キーワードを精査する
  • 除外キーワードを設定する
  • 目標コンバージョン単価を上げる

参考として、以下は2024年の業界別平均クリック率となります。

▼業界ごとの平均クリック率
業種 平均クリック率
アパレル 6.13%
アート・エンターテインメント 13.04%
キャリア・雇用 6.79%
美容・ケア用品 6.75%
金融・保険 7.71%
教育・指導 6.21%
健康・フィットネス 6.88%
レストラン・食品 8.68%
ショッピング・収集品・ギフト 7.81%
旅行 10.16%

出典:Updated Search Advertising Benchmarks for 2024

ターゲットの年齢層が高い、または水のトラブルなど緊急性の高い業種はクリック率が高くなる傾向があります。

クリック率については以下の記事で詳しく解説しています。
» リスティング広告のクリック率(CTR)の平均と改善方法を解説

クリック単価(CPC)

クリック単価とは、1クリックあたりの平均金額のことで、略語としてよくCPC(Cost Per Click)が使われます。

クリック単価の計算式は2種類ありますが、よく使う計算式は下記のとおりです。

【クリック単価の計算式】

クリック単価の計算式の図

使用することはありませんが「コンバージョン単価×コンバージョン率」でもクリック単価を計算できます。

参考として、以下は2024年の業界別平均クリック単価となります。

▼業界ごとの平均クリック単価
業種 平均クリック単価
アパレル 484円
アート・エンターテインメント 245円
キャリア・雇用 647円
美容・ケア用品 509円
金融・保険 429円
教育・指導 627円
健康・フィットネス 673円
レストラン・食品 311円
ショッピング・収集品・ギフト 373円
旅行 274円

出典:Updated Search Advertising Benchmarks for 2024

リスティング広告は安いクリック単価で集客するのが基本ですが、現在は自動入札が主流となっているため、クリック単価を下げるためにキーワードごとの入札単価を手動で調整することは原則ありません。

クリック単価を下げることよりも、運用全体の目標が達成できているかどうかに着目して運用することが重要です。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率とは、クリック数に対してコンバージョンに繋がった割合のことで、略語としてよくCVR(Conversion Rate)が使われます。

【コンバージョン率の計算式】

コンバージョン率の計算式の図

以下は業界ごとのCVRですが、コンバージョンの定義によって大きく数値が変わってくるため、大まかな参考としてください。

▼業界ごとの平均コンバージョン率
業種 平均コンバージョン率
ECサイト 2.81%
教育 3.39%
雇用 5.13%
テクノロジー 2.92%
金融・保険 5.10%
家庭用品 2.70%
健康・医療 3.36%

出典:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

実際のコンバージョンの内容を精査する必要はありますが、原則コンバージョン率はクリック率と異なり高ければ高いほどよいと言えます。

「コンバージョン数を増やしたい」「コンバージョン単価を下げたい」のどちらにも関与するので、コンバージョン率は非常に重要です。

【コンバージョン率を上昇させるポイント】

  • ランディングページを見直す
  • ターゲティングを見直す
  • 広告文を見直す
  • 「低」のアセットを見直す
  • 既存キーワードを精査する
  • 除外キーワードを設定する

コンバージョン率を高めるためには広告だけでなくサイト側の改善も必要です。

コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価とは、1コンバージョンあたりの平均獲得単価のことで、略語としてCPA(Cost Per Action)が使われます。

コンバージョン単価の計算式には2種類あります。

【コンバージョン単価の計算式】

コンバージョン単価の計算式の図

コンバージョン単価を下げるためには、計算式②からも分かるようにクリック単価を下げ、コンバージョン率を上げる必要があります。

コンバージョン単価は業種や扱う商品・サービスによって大幅に変わるため、以下のように自分たちに合った上限を設定するようにしてください。

【上限CPAの算出方法】

  • BtoBの場合:CV数×平均顧客単価×成約率
  • リピート商材の場合:(平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数

クリック数(CT)


クリック数とは、表示された広告がクリックされた回数のことで、レポートではCT(Click Through)と略語が使われたりします。

クリック数の計算式には2種類あります。

【クリック数の計算式】

クリック数の計算式の図

【クリック数を増加させるポイント】

  • 表示回数を増やす
  • 費用を増やす
  • クリック率を上げる
  • クリック単価を下げる

クリック数の計算方法を理解できていると運用に役立ちます。

コンバージョン数(CV)

コンバージョンとは、ウェブサイト上から獲得できる最終成果のことで、レポートなどではCV(Conversion)と略語が使われたりします。

例えば、ECサイトならば商品購入、コーポレートサイトならば資料請求・問い合わせ、コミュニティサイトや情報提供サイトならば会員登録などがあります。

コンバージョン数の計算式には2種類あります。

【コンバージョン数の計算式】

コンバージョン数の計算式の図

リスティング広告でコンバージョン数を計測するにはウェブサイトにタグを設置する必要があります。

表示回数(IMP)

表示回数とは広告が表示された回数のことで、インプレッション数とも呼ばれます。

広告運用で使用する機会はありませんが、以下が表示回数の計算式となります。

【表示回数の計算式】

表示回数の計算式の図

リスティング広告はクリック課金制のため、表示されるだけでは費用は発生しませんが、ターゲットユーザーに配信することが重要なので、表示回数が多ければ多いほどよいわけではありません。

【表示回数を増加させるポイント】

  • キーワードを追加する
  • 目標コンバージョン単価を上げる
  • 日額予算を上げる
  • インテントマッチ(旧:部分一致)に変更する
  • 広告の品質を改善する

費用(COST)

費用とはリスティング広告にかける広告費のことで、近年はテレビやラジオなどのマス広告や交通広告よりも市場の伸びが大きいです。
(参照:2023年 日本の広告費 – 電通

費用の計算式には2種類あります。

【費用の計算式】

費用の計算式の図

目標コンバージョン数とコンバージョン1件あたりの目標金額が決まっていれば、計算式②を用いて費用を算出することができます。

リスティング広告の費用については以下のブログで解説しています。
» リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説

まとめ

本記事で解説した「リスティング広告でよく使う指標の計算」についてまとめました。

▼リスティング広告の計算式一覧
No 指標 計算式
1 クリック率 クリック数 / 表示回数
2 クリック単価 費用 / クリック数
(コンバージョン単価 × コンバージョン率)
3 コンバージョン率 コンバージョン数 / クリック数
4 コンバージョン単価 費用 / コンバージョン数
クリック単価 / コンバージョン率
5 クリック数 表示回数 × クリック率
費用 / クリック単価
6 コンバージョン数 クリック数 × コンバージョン率
費用 / コンバージョン単価
7 表示回数 クリック数 / クリック率
8 費用 クリック数 × クリック単価
コンバージョン数 × コンバージョン単価

計算の仕方は広告運用の基本なので、使いこなせると運用レベルがアップします。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
運用型広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けしています。

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