「リスティング広告で指名キーワードの広告出稿は必要か」
「指名キーワードと一般キーワードの違いを知りたい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり12年になりますが、指名キーワードを出稿するかしないかについては未だに賛否両論あるので記事にしました。
結論から書くと指名キーワードの出稿は、指名キーワードの知名度、キーワードの特徴、競合他社の出稿状況により判断していく必要があります。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
リスティング広告の指名キーワードとは
指名キーワードとは、企業名やブランド名などを表す固有名詞のことで、「社名キーワード」「ブランドキーワード」とも呼ばれます。
【指名キーワードとは】
(例)iPhoneAndroid
対義語である「一般キーワード」の定義は以下のとおりです。
【一般キーワードとは】
(例)スマホスマートフォン携帯電話
【補足:検索ユーザーの状態】
- 指名キーワード:既に自社の商品やサービスを知っている状態
- 一般キーワード:商品やサービスの情報収集や比較検討をしている状態
指名キーワードは自社のことを認知しているユーザーが流入するため、コンバージョン率は高く、クリック単価は低くなります。
No | 項目 | 指名キーワード | 一般キーワード |
---|---|---|---|
1 | コンバージョン率 | 高い | 低い |
2 | クリック単価 | 安い | 高い |
指名キーワードを出稿するメリット
まず、出稿するメリットについて4点解説していきます。
メリット①:競合他社の1位掲載を防止できる
自社名を検索したときに、他社の広告が掲載されることがあります。
このような場合は広告を出しておかないと、本来は獲得できていたであろう新規顧客が他社に流れてしまう可能性があります。
Google広告の仕様上、競合側が意図せず広告が出てしまっている場合が大半なので、競合に自社名を除外してもらえないか連絡することを検討します。
競合に連絡する際は、以下のテンプレートをコピペして使ってください。
【競合他社にメールを送る文章例】
突然のお問い合わせ失礼いたします。
弊社名▲▲を検索エンジンで検索すると、
連動して貴社のリスティング広告が表示されております。
恐らく関連キーワードのインテントマッチの拡張で表示されているとは存じますが、大変お手数ながら弊社サイト名および弊社名をフレーズ一致にて除外設定をお願いできますでしょうか。
可能であれば、対応後にご一報いただけますと幸いです。
▼除外設定いただきたいキーワード
ーーー
検索語句A
検索語句B
検索語句C
検索語句D
ーーー
※Google、Yahoo!での設定をお願いいたします。
※すべてのキャンペーンに設定をお願いいたします。
お手数をおかけして申し訳ありませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。
メリット②:検索結果の占有面積を増加できる
指名キーワードが検索されたときに、自然検索のみの場合と、リスティング広告も出稿している場合とでは、占有面積に大きな差が出ます。
以下のスクリーンショットを見比べていただくと違いが分かるかと思います。
▼(左)自然検索のみ、(右)有料検索+自然検索
メリット③:同じ名前・似たような名前の対策ができる
同じ名前、似たような名前の企業やサービスは多いです。
似ている名前の企業やサービス名の場合、自社の広告を出稿していないと間違って別のところに申し込む可能性があります。
下記のような場合はリスティング広告を掲載していないと機会損失に繋がる場合があるため、指名キーワードの出稿を検討します。
【指名キーワードを検討する場合】
- 同じ名前の会社やサービスがある
- 名前が似ている会社や店舗、サービスがある
メリット④:特定の商材・サービスを宣伝できる
指名キーワードに限らず、広告を配信する際はランディングページURLを自由に指定することが可能です。
特に知名度の高い会社や商品の場合、指名キーワードで広告を配信し、ランディングページにて特定の商品を売り出すこともできます。
それにより、会社名やサービス名を検索したユーザーに対して、必ずしも認知されているとは限らない特定の商材を売り出せるのは、指名キーワードで配信をおこなうメリットと言えます。
ただ、知名度が低い場合は指名キーワードを設定しても、検索されることが少ないため、自分たちの商品やサービスの知名度に合わせたキーワード運用が重要です。
【指名キーワードの活用】
- 知名度の高い会社や商品の場合、LPにて特定の商品を売り出すことも可能
- 自分たちの商品やサービスの知名度に合わせたキーワード運用が重要
指名キーワードを出稿するデメリット
指名キーワードを出向するデメリットとしては、無駄な広告費がかかってしまう可能性がある点が挙げられます。
指名キーワードで出稿すると、商品やサービスに対してすでに興味・関心があるユーザーに広告が配信され、広告を出さなくてもSEOから流入したであろうユーザーに対して広告費がかかるためです。
改めて、SEOとリスティング広告の比較表は以下のようになります。
項目 | SEO(自然検索) | リスティング広告 |
---|---|---|
即効性 | 低い | ◯:高い |
クリック料金 | ◯:無料 | 有料 |
クリック率 | ◯:上位表示されると高い | 全体的に低い |
文言・リンク先の指定 | できない | ◯:ほぼ自由に設定できる |
メリット・デメリットを把握したうえで、併用または使い分けをおこないます。
SEOとリスティング広告の違いについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
» SEOとリスティング広告の違いとは?それぞれのメリットや併用について解説
指名キーワードを配信して効果を最大にする方法
指名キーワードの出稿をおこなう際の、効果的な配信方法を3点解説します。
方法①:タイトルに公式訴求を入れる
広告文に「公式」という文字を入れるか入れないかで、効果が変わります。
▼タイトルに公式訴求をした例
下記は弊社にて、タイトルに公式訴求を含めて配信した運用事例です。
訴求別 | クリック率 | コンバージョン率 |
---|---|---|
公式訴求あり | 20.25% | 22.75% |
公式訴求なし | 14.46% | 14.77% |
- 考察
-
- クリック率:1.40倍(差分+5.79%)
- コンバージョン率:1.54倍(差分+7.98%)
- タイトルに公式訴求をするだけで広告効果が改善した
指名キーワードの広告には、タイトルに公式訴求をすることをおすすめします。
方法②:広告表示オプション(アセット)を設定する
リスティング広告には、画面の占有率が上昇し、CTRが上がる無料のオプション機能があるので設定することをおすすめします。
【設定しておきたい広告アセット一覧】
- サイトリンクアセット
- コールアウトアセット
- 構造化スニペットアセット
- 電話番号アセット
- 住所アセット(店舗)
- 価格アセット
- プロモーションアセット
- リードフォームアセット(BtoB)
主なアセットのひとつであるサイトリンクアセットでは、広告文のリンク先URLとは別に、サイト上にある特定のページにユーザーを直接誘導することができます。
▼サイトリンクアセットの例
サイトリンクアセットについては、以下の記事で解説しています。
» サイトリンク表示オプションとは?設定方法やメリットを分かりやすく解説
方法③:除外キーワードを設定する
前述のとおり「〇〇 キャンセル」「〇〇 退会」「〇〇 解約」など、ネガティブな理由で検索されている場合には広告が表示されてもコンバージョンには繋がりません。
そのような広告表示を避けるために、マイナスなキーワードはあらかじめフレーズ一致で除外キーワードとして設定することをおすすめします。
【除外しておきたいキーワード一覧】
まとめ
本記事で解説した指名キーワードを出稿するメリット・デメリット、指名キーワードの効果を最大にする方法は以下のとおりです。
【まとめ】
現在Google広告の仕様により競合他社ワードを設定しないにも関わらず、意図せず広告が表示される傾向にあり、双方思わぬ誤解やトラブルが発生しやすい状況と言えます。
仕様が改善されることが理想的ですが、もし自社名で競合他社の広告が配信されていたとしたら、必要に応じて除外を依頼するなど冷静に対応する必要があります。
というわけで今回は以上となります。
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