このエントリーをはてなブックマークに追加

リスティング広告のクリック率(CTR)の平均と改善方法を解説

リスティング広告のクリック率(CTR)の平均と改善方法を解説
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
※このページは2024年9月24日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「競合他社と比較して自社のクリック率が高いのか知りたい」
「クリック率の平均や目安を調べている」
「クリック率を改善したい」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり12年になりますが、クリック率の平均や目安、改善方法についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

結論から書くと、クリック率の平均は以下のとおりです。

リスティング広告の平均クリック率
  • 検索の平均クリック率:6~7%
  • ディスプレイの平均クリック率:0.5%

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

クリック率とは

クリック率(CTR:Click Through Rate)とは、広告が表示された回数に対して、どのくらいクリックされたかを示す割合のことです。

【クリック率の計算式】

クリック率の計算式の図

例えば、以下のように計算します。

【例】
30回(クリック数)/ 1,000回(広告の表示回数)= 3.00%(クリック率)

広告の表示回数に対してクリック数が多いほど、クリック率は高くなります。

クリック率やクリック単価などリスティング広告でよく使う計算式を下記の記事でまとめているので、こちらもご参考ください。
» リスティング広告でよく使う指標の計算まとめ【広告運用の基本】

クリック率の適正数値

クリック率は媒体や業界によって大きく異なるため、どの案件にも当てはまる適正数値はありませんが、いくつか目安となる数値を紹介するのでご参考にしてください。

傾向①:媒体ごとの平均クリック率

検索広告とディスプレイ広告のクリック率の平均値は、一般的に以下のように言われています。

リスティング広告の平均クリック率
  • 検索の平均クリック率:6~7%
  • ディスプレイの平均クリック率:0.5%

参考として、以下が弊社にてGoogle検索広告(①)・Yahoo!検索広告(②)・Googleディスプレイ広告(③)を運用した事例となります。

▼弊社運用事例
表示回数 セッション数 CTR コスト
91,612 8,086 8.83% 1,054,869
52,026 3,879 7.46% 211,782
804,497 3,389 0.42% 199,351

検索広告のほうが能動的に情報を調べている人が多いためクリック率が高くなる傾向があります。

続いて、以下は弊社にてInstagram広告(④)・Facebook広告(⑤)を配信した事例となります。

▼弊社運用事例
表示回数 セッション数 CTR コスト
396,968 2,548 0.64% 383,212
295,957 1,391 0.47% 277,616
考察
  • Instagram広告の平均クリック率は0.5~1.5%とされている
  • ターゲットユーザーの広さやクリエイティブによって平均より低くなったり、3%以上と高くなったりする

傾向②:業種やターゲットによって大きく異なる

業種によってもクリック率の平均は大きく異なります。

あくまで参考の数値とはなりますが、以下は2024年の検索広告における業界別平均クリック率をまとめた表です。

▼業界ごとの平均クリック率
業種 平均クリック率
アパレル 6.13%
アート・エンターテインメント 13.04%
キャリア・雇用 6.79%
美容・ケア用品 6.75%
金融・保険 7.71%
教育・指導 6.21%
健康・フィットネス 6.88%
レストラン・食品 8.68%
ショッピング・収集品・ギフト 7.81%
旅行 10.16%

出典:Updated Search Advertising Benchmarks for 2024

旅行やアートなど、比較的ターゲットの年齢層が高い業界のクリック率が高くなる傾向があることが分かります。

反対にターゲットの年齢層が低いと、広告を避けるユーザーが多いためクリック率が下がります。

クリック率が高いメリット

クリック率が高いことによる主なメリットを2点紹介します。

メリット①:クリック数が増加する

【クリック数の計算式】

クリック数の計算式の図

クリック率が高いと、効率的にクリックを集めることができます。

メリット②:広告の評価が改善する

クリック率が高い広告は、Googleからユーザーにとって関連性が高く、有益な広告だとみなされます。

クリック率が高い広告やリスティングは、ユーザーにとって有益で関連性が高いという意味になります。クリック率は、広告ランクを決定する一要素であるキーワードの推定クリック率にも影響します。

出典:クリック率とは – Google 広告 ヘルプ

推定クリック率は、広告の関連性とランディングページの利便性の2つとともに品質スコアの評価材料となります。

品質スコアは、広告の掲載順位を左右する「広告ランク」の決定に関わります。

掲載範囲や入札価格の設定を自動でおこなう現在では、品質スコアが配信に及ぼす影響を細かく把握することが難しくなりましたが、品質スコアが高いと少額の予算でも優先的に上位掲載されやすくなるなど、広告効果が出やすくなることが期待できます。

品質スコアについては以下の記事でより詳しく解説しています。
» Google広告の品質スコアを上げる3つの改善方法

クリック率の改善方法10選


続いては、クリック率の改善方法を10点解説します。

方法①:広告見出しに検索キーワードを入れる

クリック率を上げるためには、検索をおこなったユーザーの意図に合わせた広告文を表示させることが効果的です。

最もシンプルな方法は、見出しに検索キーワードをそのまま含めるやり方です。

例えば、以下の悪い例のような広告文では、ユーザーが自身の検索と広告文の関連性が低いと感じるためクリックに繋がりにくくなります。

【例】
ユーザーが検索した語句:渋谷 アルバイト
悪い広告文の例:「東京都 アルバイト/高時給案件」
良い広告文の例:「渋谷 アルバイト/高時給案件」
→ユーザーは「渋谷のアルバイト」を探している。

ユーザーが検索した語句を広告文に含めることで、クリックしてもらいやすくなります。

方法②:広告文に数字や記号を入れる

広告文がユーザーにとってより魅力的な訴求となるように、数字や記号を入れるなど工夫することができます。

特に割引など特典をアピールしたい際には、数字に加えて記号を使うことでさらにクリックされやすい広告文になります。

【例】
数字:新宿のスポーツジムが初回50%OFF
記号:<今話題>新型フィットネスジム

【広告文に数字や記号を入れるメリット】

  • 割引などの特典をアピールできる
  • ユーザーの目を惹いてクリックされやすくなる

方法③:広告文に「公式」を入れる

「公式」という文字を入れることで安心感ある広告文になります。

【例①】
航空券の比較・予約《〇〇公式
【例②】
海外航空券【〇〇】公式サイト

【広告文に「公式」を入れるメリット】

  • ユーザーに安心感を与えられる
  • 他の広告と差を付けやすくなる

方法④:広告アセットを設定する

広告アセットとは、リスティング広告の見出しや説明文に加えて、追加の情報を表示させる機能で、設定することでクリック率の向上につながります。

▼広告アセット設定例(キャプチャはサイトリンク)
Google広告、サイトリンクアセットの掲載例のキャプチャ

【広告アセットのメリット】

  • 無料で設定できる
  • 広告の面積が増える
  • クリック率が上がる
  • 広告ランクが上がる

広告アセットにはたくさんの種類がありますが、すべて設定すると効果的です。

【設定しておきたい広告アセット一覧】

  • サイトリンクアセット
  • コールアウトアセット
  • 構造化スニペットアセット
  • 電話番号アセット
  • 住所アセット(店舗)
  • 価格アセット
  • プロモーションアセット
  • リードフォームアセット(BtoB)

広告アセットの文字数をまとめた記事を貼っておきますので、ご活用ください。
» 【2024年最新】広告表示オプション(アセット)の文字数一覧まとめ

方法⑤:アセットの「低」を改善する

アセットとは広告見出しや説明文など、広告を構成するコンテンツのことです。

管理画面からアセットの評価を確認することができ、「最良」「良好」「低」の3段階となります。

▼アセットの評価
パフォーマンス 概要 修正可否
最良 特に評価が高い状態 修正不要
良好 掲載結果が良好な状態 修正不要
学習中 評価に必要な情報を収集している状態 修正不要
保留 掲載結果の情報がまだ何もない状態 修正不要
-(未評価) トラフィック量が不十分な状態 修正不要
特に評価が低い状態 要修正

(参考:レスポンシブ検索広告の広告単位のアセットレポートについて – Google広告ヘルプ

「最良」や「良好」のアセットはそのまま使用し、有効な広告として参考となりますが、「低」になっている場合は改善する必要があります。

アセットの改善方法は3点あります。

【アセットの改善方法】

  • 「最良」または「良好」評価となっているアセットを参考にする
  • 検索クエリや広告文をランディングページに追加する
  • 競合他社の広告を参考にする

方法⑥:キーワード設定を見直す

クリック率が低いと感じた場合は、検索キーワードの見直しも有効です。

キーワード設定において、関連性の低いキーワードで設定がされてしまうと、無駄な表示が増えてしまい、結果としてクリック率も下がるため、適切な設定となっているか確認します。

ちなみにキーワードにはブランド名などの固有名詞を含める指名キーワードと一般キーワードの2種類がありますが、前者のほうがクリック率が高くなる傾向があります。

【キーワード設定とクリック率】

  • 抜け漏れなく網羅してキーワードを設定する
  • 指名キーワードと一般キーワードでは前者のほうがクリック率が高くなる

キーワード選定については以下の記事で詳しく解説しています。
» 【プロが教える】リスティングのキーワード選定手順を一挙公開

方法⑦:除外キーワードを設定する

現在は掲載範囲の最も広いインテントマッチが推奨されていますが、特にコンバージョンデータが足りずに機械学習が上手く機能していない場合は関連性の低い語句に対する配信が増えてしまう傾向があります。

無関係の検索語句でも広告を表示している場合、広告はクリックされないためクリック率が低下し、またはクリックされても離脱されやすくなります。

そのため除外キーワードを上手く活用して、より関連性の高いユーザーに絞った配信をおこなうことで、クリック率だけでなく、広告効果全体の改善が見込めます。

【除外キーワード設定の必要性】

  • 推奨のインテントマッチでは掲載範囲が広くなる
  • 無関係の検索語句で配信するとクリック率は低下し、クリックされても離脱されやすい
  • 除外キーワードを設定することで広告効果全体を改善

除外キーワードについては以下の記事で詳しく解説しています。
» 除外キーワードとは?設定方法やマッチタイプについて詳しく解説

方法⑧:適切なターゲットに配信する

広告運用においては、常に適切なターゲットに配信されていることが重要です。

例えば女性向けのエステサロンの広告であれば性別を女性に絞って配信することで、クリック率が改善します。

また、クリック率は高ければ高いほど良いわけではなく、関連性の低いユーザーのクリックを防げているかという視点も重要です。

例えば、BtoB向けの商材は見出しに「法人向け」などと訴求を入れて一般ユーザーの流入を防ぐことで、クリック率は低くなりますが、無駄なクリックによるコスト増加を抑えて費用対効果を改善できます。

【適切なターゲットに配信する重要性】

  • ターゲット層に絞って配信することでクリック率が改善する
  • クリック率は高ければ良いという訳ではなく、無駄なクリックを防ぐことも必要

方法⑨:広告カスタマイザを活用する

広告文の見出し設定数は最大15個と決まっているので、細かな検索語句や検索意図を網羅することはできません。

そこで、少し中級者向けのテクニックにはなりますが、広告文をユーザーの検索に合わせて文言を変更できる挿入機能が役立ちます。

挿入機能には、広告カスタマイザとキーワード挿入機能の2つがあります。

広告カスタマイザにおいては、検索したユーザーの内容(キーワード、地域、時間帯、デバイスなど)に基づいて広告文が設定できます。

【広告カスタマイザの活用例】

▼フィード名:地域ごと
Target Keyword エリア名(text) 料金(text)
シドニー 航空券 シドニー 40万
バリ 航空券 バリ 30万
セブ 航空券 セブ 20万

上記のように設定することで、キーワードごとに適切な広告文が表示できます。

  • シドニー 航空券:シドニーまでのお得な航空券|今なら期間限定40万円から
  • バリ 航空券:バリまでのお得な航空券|今なら期間限定30万円から
  • セブ 航空券:セブまでのお得な航空券|今なら期間限定20万円から

方法⑩:キーワード挿入機能を活用する

キーワード挿入機能においては、ユーザーの検索語句と一致したキーワードを説明文に挿入できます。

例えば、以下のように表示をコントロールできます。

【キーワード挿入機能の活用例】

  • 作成する広告文:{KeyWord:ハワイの人気ホテル}|【公式】〇〇ホテル
  • ユーザーの検索した語句:ハワイ お得なホテル
  • 対象となるキーワード:ハワイホテルお得
  • 表示される広告文:ハワイ ホテル お得|【公式】〇〇ホテル
  • デフォルト表示の広告文(文字数オーバー時など):ハワイの人気ホテル|【公式】〇〇ホテル

【挿入機能の活用ポイント】

  • ユーザーの検索ごとに広告文を変えることで検索意図に細かく合わせられる
  • 自らのニーズに合っていると感じたユーザーがクリックしやすくなる

まとめ

本記事で解説した「リスティング広告の平均クリック率と改善方法」については以下のとおりです。

リスティング広告の平均クリック率は以下のとおりです。

リスティング広告の平均クリック率
  • 検索の平均クリック率:6~7%
  • ディスプレイの平均クリック率:0.5%

クリック率を改善させるためには適切な広告文を、適切なキーワードで、適切なターゲットユーザーに配信することが重要です。

それでは参考にしてください。

最新情報をお届けしています。
記事のいいね&ぜひシェアをお願いします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
運用型広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けしています。

会社概要Company

運用型広告の専門家集団ユニアドの会社概要です。会社データや代表の想いについてご紹介しています。

採用情報Employment

募集職種や求める人物像を紹介しています。弊社の想いに共感し、一緒に働ける方を募集しています。