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【最新版】リマーケティングの効果を見直す12の施策

【最新版】リマーケティングの効果を見直す12の施策
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※このページは2025年2月27日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「リマーケティングの効果を改善したい」
「リターゲティング広告効果を見直すためにすべきことは何か」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり13年になりますが、リマーケティングの改善施策を探している方が多かったので記事にしました。

Googleは2025年初頭からサードパーティCookieを段階的に廃止する計画を進めていましたが、サードパーティCookieの完全廃止を実施しないことを再度発表しました。

直近でリターゲティング広告の効果が下がってしまうことやコンバージョントラッキングの精度が下がる懸念は一旦解消されましたが、ブラウザの環境や個人情報の取扱いについては、今後も規制が厳しくなることが予想されます。

サードパーティCookieとよく混同してしまいがちな用語を整理しました。

【用語の整理】

  • サードパーティCookie:訪問サイト以外の第三者が設定するクッキーで、広告ネットワークや解析ツールがユーザー行動を追跡するために利用する。
  • ファーストパーティCookie:訪問したウェブサイトが設定するクッキーで、ログイン情報を記憶するために使われる。
  • ファーストパーティデータ:企業やウェブサイトが直接収集するデータ。

リマーケティングの改善施策だけではなく、間違いやすいポイントについても書いているので、効果を改善したい方にもすぐに実践できる内容になっています。

注:本記事はすでにリマーケティングを配信している方向けの記事です。
リマーケティングの基礎や仕組みについて知りたい方は「【完全版】リマーケティングとは?基礎や仕組みを分かりやすく解説」をご確認ください。

ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

1. GTMタグを正しく設置する


現在GTMを使用してGoogle広告を配信している方が多いと思いますが、GTMタグの設置箇所や設置ページを間違えてしまっていることは少なくありません。

GTMタグを正しく設置できていないと、リマーケティングだけではなく、コンバージョン計測にも影響が出てしまいます。

GTMタグは2種類あり、それぞれ設置箇所のルールは下記のとおりです。

【GTMタグ:headタグ内の例】

<!-- Google Tag Manager -->
<script>(function(w,d,s,l,i){w[l]=w[l]||[];w[l].push({‘gtm.start’:
new Date().getTime(),event:’gtm.js’});var f=d.getElementsByTagName(s)[0],
j=d.createElement(s),dl=l!=’dataLayer’?’&l=’+l:'';j.async=true;j.src=
‘https://www.googletagmanager.com/gtm.js?id=’+i+dl;f.parentNode.insertBefore(j,f);
})(window,document,’script’,’dataLayer’,’GTM-○○○○○○○’);</script>
<!-- End Google Tag Manager -->
  • 設置箇所:headタグ内のなるべく上のほう
  • 設置ページ:すべてのページ

【GTMタグ:bodyタグ内の例】

<!-- Google Tag Manager (noscript) -->
<noscript><iframe src="https://www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-○○○○○○○"
height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden"></iframe></noscript>
<!-- End Google Tag Manager (noscript) -->
  • 設置箇所:bodyタグの直後
  • 設置ページ:すべてのページ

タグは抜け漏れおよび設置箇所のミスがないように注意する必要があります。

2. GTMのタグとトリガーを正しく設定する

GTMタグの設置に問題がないことを確認した後は、GTM管理画面内にてタグとトリガーを正しく設定する必要があります。

GTMの設定は大きく分けてタグとトリガーの2種類があり、特に間違いやすいのはトリガーの設定です。

【間違いが起こりやすいポイント①:トリガー】

  • トリガーのタイプを正しく設定できていない:コンバージョンの計測方法が「クリック」か「ページの読み込み」かでトリガータイプが変わる。
  • トリガーの条件とURLを正しく設定できていない:「含む」or「等しい」、URLの指定の間違いが起こりやすい。

サイトリニューアルの際に、サンクスページURLが変更される場合がありますが、トリガーに指定しているURLの変更を失念してしまい、コンバージョン計測ができなくなることがあるため、注意が必要です。

トリガー以外で間違いやすい項目は下記2点です。

【間違いが起こりやすいポイント②:その他】

  • タグとトリガーを設定完了後に「公開」できていない:変更を加えた後に公開ボタンを押し忘れてしまうと未反映になる。
  • コンバージョンリンカーを設定できていない:Google広告経由であることを記録するもので、設定をしないと正確なコンバージョン計測が不可能。

3. カスタマーマッチを活用する

カスタマーマッチは、広告主が自社の顧客データベースから収集したオフラインのデータ(例:メールアドレス・電話番号など)をGoogle広告にアップロードし、そのデータをもとに特定のユーザーに広告を配信したり、アカウントの機械学習に活用するための機能になります。

カスタマーマッチとはのイメージ図

顧客データファイルの項目は以下のとおりです。

【顧客データファイルの項目内容】

  • メールアドレス
  • 電話番号(国コードを含める)
  • 国コード(JP)
  • 郵便番号

顧客データファイルのアップロード方法は以下のとおりです。

  1. Google広告の管理画面にログインする
  2. 左メニュー[ツール]タブ>[共有ライブラリ]を選択する
  3. [オーディエンスマネージャー]を選択する
  4. データセグメントの[+]ボタン>[顧客リスト]を選択する
  5. [ファイルを手動でアップロードする]を選択する
  6. [続行]を選択する
  7. アップロードするデータの[参照する]を選択する
  8. [該当の顧客データファイル]を選択する
  9. [リストをアップロードして作成]を選択する

4. 最適化されたターゲティングをオンにする

最適化されたターゲティングとは、Google広告の推奨設定で、広告主様のキャンペーン目標に基づいてコンバージョンの可能性が高いと判断したユーザーに広告を配信する機能です。

ディスプレイキャンペーンや特定の目標における動画キャンペーンに利用でき、広告がより関連性の高いユーザーに届くようになります。
(参照:About optimized targeting – Google Ads Help

下記はリマーケティング広告のターゲティング別の配信結果で、「サイト訪問ターゲティング(①)」と「最適化されたターゲティング(②)」の配信結果になります。

▼弊社運用事例
CV CPA 表示回数 セッション数 コスト
47 16,716 2,419,687 7,004 785,696
70 17,804 3,980,288 6,159 1,246,274
考察
  • 表示回数:①2,419,687回、②3,980,288回(164.5%)になり、最適化されたターゲティングに偏る結果となった。
  • CPA:①16,716円、②17,804円になり、大きな差はない結果となった。

5. レスポンシブディスプレイ広告の画像を見直す

レスポンシブディスプレイ広告とは、1種類の広告を設定するだけで「サイズ」「フォーマット(テキスト、イメージ、ネイティブ)」を網羅できる広告フォーマットです。

レイアウトは、入稿したアセットの組み合わせで決定され、画像はレスポンシブディスプレイ広告の構成要素の中で最も重要な要素になります。

配信を開始してから画像において見直す箇所は以下のとおりです。

レスポンシブディスプレイ広告の画像:見直しポイント

詳しくは以下の公式ヘルプページをご確認ください。
(参照:ディスプレイ広告:クリエイティブ作成時のおすすめの方法に関するガイド – Google広告ヘルプ

6. レスポンシブディスプレイ広告の文言を見直す

掲載面に合わせて自動でサイズやデザインを最適化してくれるレスポンシブディスプレイ広告を見直すことで効果的に広告を配信できます。

レスポンシブディスプレイ広告の文言において見直す箇所は以下のとおりです。

レスポンシブディスプレイ広告の文言:見直しポイント

詳細については下記URLをご確認ください。
(参照:効果的なディスプレイ広告作成のヒント – Google広告ヘルプ

【補足:レスポンシブディスプレイ広告のアセットの種類】

  • 広告見出し
  • 長い広告見出し
  • 説明文
  • 画像
  • ロゴ
  • 動画

レスポンシブディスプレイ広告について以下のブログで詳しく解説しています。
» 【完全版】レスポンシブディスプレイ広告の概要と入稿規定を解説

7. コンバージョンユーザーを除外する

コンバージョンを計測していることが条件になりますが、既にコンバージョン済みのユーザー(=コンバージョンユーザー)からの無駄クリックを防止する目的で、コンバージョンユーザーに対して配信を除外できます。

現在はスマート自動入札による運用が主流となっているため、特定のユーザーに対してクリック単価が高騰する場合があり、一定の予算規模の広告主様は必要に応じてコンバージョンユーザーの除外設定を検討する必要があります。

コンバージョンユーザーを除外する設定は、以下の方法になります。

  1. 該当のリマーケティングキャンペーンを選択する
  2. 左メニュー[オーディエンス、キーワード、コンテンツ]を選択する
  3. [オーディエンス]を選択する
  4. [除外]>[オーディエンスの除外]を選択する
  5. [閲覧]タブ >[ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法]を選択する
  6. [ウェブサイトを訪れたユーザー]を選択する
  7. [コンバージョンに至ったすべてのユーザーのリスト]を選択する

8. オーディエンスリストを見直す

リマーケティングの配信では、適切なオーディエンスリストを設定することが重要です。

サイトリニューアルなどを実施した後、オーディエンスリストが蓄積されず、効果が上がらない場合があります。

オーディエンスリストにおいて見直す箇所は以下のとおりです。

オーディエンスリスト:見直しポイント

2. のチェック項目でリストのボリュームが極端に減少している場合は、下記のような原因が考えられるためオーディエンスリストの修正が必要になります。

【例:オーディエンスリストが極端に減少している原因】

  • 指定URLのサイトリニューアルに伴いタグの設置に不具合が起きている
  • 指定URLがデッドリンクになっている
  • サイトリニューアルに伴いURLが変更になっている

9. プレースメントを精査する


プレースメントとは、ディスプレイ広告において広告が表示される場所やメディアのことを指します。

特定のウェブサイト(まとめサイト・ブログ・ニュースサイトなど)やスマホアプリ内の広告枠(情報アプリの記事内・ゲームアプリの画面内など)が挙げられます。

プレースメントを精査する理由は2点あります。

【プレースメントを精査すべき理由】

  1. 悪質なコンバージョンが発生している可能性がある
  2. 誤タップを誘発させる設計のアプリやウェブサイトがある

1点目は、悪質なコンバージョンが発生している可能性があることです。

現在自動入札が主流となり、自動でクリック単価が調整されていますが、悪質な場合、自ら架空のコンバージョンを発生させることで、AdSenseのクリック単価(収益)を釣り上げる場合もあります。

自発コンバージョンは全体のパフォーマンスに悪影響を与え、実際の機械学習の質を悪化させる原因になります。

実際に収益に結びつくコンバージョンかを確認して、質の低いプレースメントを排除するための定期的な点検が必要です。

2点目は、誤タップを誘発させる設計のアプリやウェブサイトがあることです。

例えば子供や幼児向けのアプリに広告枠を設置して広告の誤タップを狙って設計されている場合が多く、当然ながら意図しない広告のクリックが起こりやすく、広告費が無駄になる可能性があります。

アプリの収益化には、大きく2つの種類があり、特に非課金型アプリでは誤タップが起きやすいためプレースメントの精査が必要です。

【補足:アプリの種類】

  • 課金型アプリ:アイテムなどを購入して収益を上げる
  • 非課金型アプリ:アプリ内に広告を掲載して収益を上げる

費用対効果の改善には、質の低い配信面を除外する必要があります。

10. バナー広告のデザインを変更する

ディスプレイ広告にはレスポンシブディスプレイ広告のほかにバナー広告があります。

【用語の整理】

  • バナー広告:正式名称はイメージ広告で、画像1枚と最終ページURLで構成される。入稿サイズに適した配信面に広告が掲載される。
  • レスポンシブディスプレイ広告:複数の画像や文言を設定し、掲載面に最適な形に組み合わせて掲載する。

リマーケティングは、以前訪れたことのあるサイトであることを認識してもらうため、バナーデザインが重要と言えます。

社名・ブランドロゴを強調したり、誘導ボタンや訴求内容のデザインを工夫する必要があります。

効果的なクリエイティブの要素は主に4点です。

  • 会社のロゴ:会社名もしくはロゴを記載
  • メインイメージ:写真もしくはイラストでわかりやすいもの
  • メインコピー:なるべく目立つ位置に大きな文字で
  • 誘導ボタン:『詳しくはこちら』などのボタン

下記はコンバージョン数の増加を目的にバナーデザインを変更した事例になります。

▼弊社運用事例
CV CPA 表示回数 セッション数 CTR
変更前 6 12,790 361,057 539 0.15%
変更後 3 22,498 399,041 693 0.17%

今回はバナーデザインを変更することでコンバージョン数が減少し、本来期待していた成果を得ることはできませんでしたが、配信結果から仮説を立てることで次回の施策の精度を高めることが可能です。

以下の記事でバナー広告の効果的なデザインについて解説しています。
» 【GDN・YDA】バナー広告の効果的なデザイン:事例解説付き

11. バナー広告のサイズの種類を増やす

GDNには規定のバナーサイズがあり、サイズが多いほどインプレッション数を増加させることができます。

下記はバナーサイズを1種類にて配信をおこなった結果とサイズを20種類にして配信した事例になります。

▼弊社運用事例
CV CPA 表示回数 セッション数 コスト
1種類 15 20,094 2,112,225 1,819 301,413
20種類 17 17,520 862,669 1,278 297,848

全20種類のバナーサイズを登録することで、コンバージョン数の増加および費用効率が改善しました。

効果的だったバナーサイズは下記のとおりです。

【効果の良いバナーサイズ】

  • 300×250
  • 336×280
  • 300×600

バナー広告サイズの最新情報については以下のブログをご確認ください。
» 【2025年最新】GDN・YDN(YDA)バナーサイズ一覧

12. アカウント設計を見直す

Google広告はAI機能が充実しており、構成を極力シンプルにして機械学習をフル活用できるアカウント設計でないと効果が出づらくなっています。

例えば「サイト訪問後1日」「サイト訪問後7日」「サイト訪問後30日」のリストを広告グループごとに分けて設定するのではなく、1つのグループに集約するのが効果的です。

【Before】

広告グループ オーディエンス
広告グループA サイト訪問後1日
広告グループB サイト訪問後7日
広告グループC サイト訪問後30日

【After】

広告グループ オーディエンス
広告グループA サイト訪問後1日
サイト訪問後7日
サイト訪問後30日

広告グループにデータを集約させることで機械学習のスピードが上がり、配信効率を向上させることができます。

下記は人材紹介会社様のアカウント設計を見直した事例になります。

▼弊社運用事例
CTR CVR CPA
変更前 0.10% 0.97% 24,959
変更後 0.10% 1.40% 19,616

広告グループを細分化せず、データを集約するだけでCPAが改善していることが分かるかと思います。

アカウント構成については以下の記事で解説しているのでご参考ください。
» リスティング広告のアカウント構成とは?効果的な設計方法や注意点を解説

まとめ

本記事で解説した「リマーケティングの効果を見直す施策」は以下のとおりです。

本記事をまとめると下記のとおりです。

本記事のまとめ
  • リマーケティングは、少し手を加えるだけで効果が改善することが多いので取り入れる
  • サードパーティCookieの規制はリマーケティングに大きな影響を及ぼすため、最新情報を追うことが重要
  • 今後もプライバシー保護の観点から、ブラウザの環境や個人情報の取扱いについては規制が厳しくなることが予想される

【完全版】リマーケティングとは?基礎や仕組みを分かりやすく解説」というブログで、Cookie規制の対策方法について書いているので、こちらもご参考ください。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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