
「SEOとリスティング広告の違いを調べている」
「SEOとリスティングは併用したほうがよい?」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり13年になりますが、SEOとリスティング広告の違いについて調べている人が多かったので記事にしました。
結論から言うと、SEOとリスティング広告の違いは以下になります。
【SEOとリスティング広告の違い】
- SEO:ウェブサイトを最適化することで自然検索で上位掲載を狙う施策
- リスティング広告:キーワードが検索された際に表示させる広告
SEOとリスティング広告を比較すると以下のとおりです。
項目 | SEO(自然検索) | リスティング広告 |
---|---|---|
即効性 | 低い | ◯:高い |
クリック料金 | ◯:無料 | 有料 |
クリック率 | ◯:上位表示されると高い | 全体的に低い |
文言・リンク先の指定 | できない | ◯:ほぼ自由に設定できる |
ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。
それでは解説していきます。
SEOとは
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略でGoogleなどの検索結果画面の上位に表示させるための施策のことです。
上位に表示をさせることで、自社サイトへのアクセスが増加し、自社の認知拡大をすることができます。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、Googleなどの検索結果の上部に掲載できる広告のことです。
特定の検索語句に対して連動した広告を表示させることができるため、ウェブ広告の中で最も費用対効果の高い広告のひとつです。
SEOとリスティング広告の違いについて
SEOとリスティング広告の違いを比較した表が以下になります。
項目 | SEO(自然検索) | リスティング広告 |
---|---|---|
即効性 | 低い | ◯:高い |
クリック料金 | ◯:無料 | 有料 |
クリック率 | ◯:上位表示されると高い | 全体的に低い |
文言・リンク先の指定 | できない | ◯:ほぼ自由に設定できる |
上記の違いについて解説していきます。
1. 即効性
SEOとリスティング広告の大きな違いの1つは即効性です。
最短即日で配信を開始し、集客を増やすことが可能なリスティング広告と比べて、SEOはウェブサイトの改善をおこない、自然検索における掲載順位を上げるための施策です。
今すぐに大きく集客を増やしたい場合にはSEOよりもリスティング広告を配信することをおすすめします。
【SEOとリスティング広告の即効性における違い】
- リスティング広告は最短即日で配信できる
- SEO対策には即効性がない
2. クリック料金
費用面の違いとしては、まずクリック料金の有無が挙げられます。
リスティング広告においてクリックされる度に広告費が発生しますが、SEOは広告ではないため、SEOによる上位掲載からクリックに繋がっても費用はかかりません。
SEO対策はもちろんリスティング広告においても必要となるウェブサイト改善のためのリソースや委託費用は別途必要となります。
【SEOとリスティング広告のクリック料金における違い】
- リスティング広告はクリックされるたびに課金される
- SEOはクリックされても費用がかからない
3. クリック率
リスティング広告のクリック率は全体として低く、SEOで上位掲載された場合のクリック率は高くなります。
リスティング広告が表示されてもユーザーは広告を忌避する傾向があり、SEOによって検索上位に表示されたコンテンツに対しては、クリックに繋がりやすいためです。
SEOとリスティング広告のクリック率を比較した表が以下になります。
掲載順位 | Google自然検索 | リスティング広告 |
---|---|---|
1位 | 34.2% | 18.9% |
2位 | 17.1% | 8.8% |
3位 | 11.4% | 6.3% |
4位 | 8.1% | 5.1% |
5位 | 7.4% | 4.5% |
6~10位 | 3.6% | 2.4% |
(参照:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid)
以上は海外のデータで、日本におけるリスティング広告の平均クリック率は5~10%と言われていますが、SEOの方が圧倒的にクリック率が高いことが分かるかと思います。
4. 文言・リンク先の指定
SEO対策においては掲載上位を狙うことはできますが、どのページを掲載するか指定することはできません。
反対にリスティング広告においては、広告文などの文言だけでなくリンク先URLも指定することができるため、例えばABテストをおこなってリンク先別に効果を検証することもできます。
【文言・リンク先の指定】
- SEOでどのページを掲載するか指定することはできない
- リスティング広告は文言やリンク先を指定することができ、効果検証も可能
SEOのメリット・デメリット
続いてSEOのメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。
メリット①:クリック費用がかからない
SEOはGoogleに広告費を払って掲載するのではなく、自然検索で上位に掲載されるための施策であるため、クリックされても費用がかかりません。
SEO対策自体には、サイトの改善やコンテンツ追加などが必要であるためリソースは必要ですが、何度クリックされても費用がかからないため、上位掲載されれば高い費用対効果で集客をおこなうことができます。
【補足:SEOの指名キーワードと非指名キーワードを比較】
非指名キーワード(一般):1位のクリック率が約25%、2位が約10%
→1位掲載されると大きな集客が期待できる。
▼自然検索の掲載順位別キーワード別クリック率
メリット②:潜在層にもアピールできる
リスティング広告からの流入はすでにニーズを抱えている顕在層が主ですが、SEOにおいては潜在層がおよそ半数を占めているため、顕在層と潜在層のどちらにもアピールすることができるのはメリットの1つです。
【SEOからの集客】
- いずれ顧客となるかもしれない潜在層がおよそ半数を占める
- 潜在層と顕在層のどちらにも訴求できる
デメリット①:効果が出るまで時間がかかる
配信を開始すればすぐに掲載される広告と違い、SEOはウェブサイトを最適化し検索エンジン各社のアルゴリズムに基づいて高く評価されることを目指すものであるため、すぐに効果が現れるわけではありません。
キャンペーンやイベントなど、ピンポイントですぐに集客をしたいという場合には不向きです。
SEOにおいては広告のように細かく配信設定をおこなうことはないため、コントロール性も低いです。
また、1年に2~3回ほどおこなわれる媒体のアップデートによって掲載順位が急激に落ちてしまう場合があるため、こまめに確認して対策をおこなう必要があります。
広告と同様に一度作成したら終わりではなく、継続的な施策が重要となります。
デメリット②:AI Overviewによってウェブサイト流入が減少
Googleが2024年5月から導入した「AI Overview(AIによる概要)」によって、ユーザーの検索に対してAIが関連するウェブサイトの情報を自動でまとめてページ最上部に表示されるようになりました。
これによりウェブサイトをクリックしなくても知りたかった情報を手に入れられるようになり、ウェブサイトの流入が減少する可能性があります。
SEOのみでユーザーの流入を得る難易度が上がった点は、SEOの新たなデメリットと言えます。
【AI Overviewの影響】
- ユーザーの検索に対してAIが関連するウェブサイトの情報を自動でまとめてページ最上部に表示される
- ウェブサイトのクリック率が減少した
リスティング広告のメリット・デメリット
続いてリスティング広告のメリット・デメリットについてそれぞれ解説していきます。
メリット①:即効性が高い
リスティング広告は最短即日で配信することができるため、即効性がある点が大きなメリットと言えます。
イベントやキャンペーンに向けてスポットで集客をおこないたい場合にも対応することができ、反対に急な休業日や配信停止もすぐに反映することができます。
【リスティング広告の即効性】
- 最短即日で配信することができる
- スポットで集客したい場合にも対応可能
メリット②:上位掲載できる
リスティング広告では、広告費を大きくかければその分上位に表示される確率を上げることができます。
掲載順位決定の仕組みの参考として、以下のように算出される「広告ランク」の高い順に掲載されると考えることができます。
【参考となる計算式】
上記の要素以外にも外的要因などを加味して最終的な掲載順位が決定されますが、広告費(入札単価)を上げればその分上位掲載を狙いやすいため、SEOと比べて掲載順位をコントロールしやすいのが特徴です。
検索連動型広告については以下の記事でより詳しく解説しています。
» 検索連動型広告とは?今さら聞けない基礎知識を分かりやすく解説
デメリット①:効果を出すにはノウハウが必要
リスティング広告は管理画面から簡単に変更を加えることができますが、設定を使いこなし最適な運用をおこなうのは容易ではありません。
配信の反響を見ながら微調整をおこなえる高いコントロール性はリスティング広告の良さですが、全体としての正しい運用ができているか見極めることが難しくなる所以ともいえます。
【リスティング広告に必要なノウハウ】
- 配信の反響を見ながら必要な調整をおこなうための知識と経験
- 全体として適切な運用ができているかの見極め
デメリット②:無駄なクリックによる費用が発生する
リスティング広告はクリック課金のため、広告がクリックされると費用がかかります。
コンバージョンに繋がらないような関係のないユーザーなどがクリックした際にも費用がかかるため、除外キーワードの設定などの業務を定期的におこなう必要があります。
無駄な費用が発生しないための業務を継続的におこなわなければ費用対効果が下がってしまう点は検索連動型広告のデメリットと言えます。
【リスティング広告の費用を抑える方法】
- キーワードや配信時間帯を絞って配信する
- 除外キーワードを設定して無関係なユーザーの流入を防ぐ
SEOとリスティング広告の使い分けについて
SEOとリスティング広告をどのように使い分けたらよいのかについて解説していきます。
ポイント①:すぐに効果を出したいときはリスティング広告
短期的・長期的な効果のどちらを狙うかによって使い分けることができます。
スポットで集客が必要な場合など、すぐに効果を出したいときは最短即日で配信を開始し集客に繋げることができるリスティング広告が適しています。
SEO対策をおこなっても、必ずしもすぐに上位掲載されるとは限らず、非公開の媒体アルゴリズムに沿って評価がされるのを待つしかないという特性があるためです。
しかし、長期的な集客を目指すためには、継続的なSEO対策によってウェブサイトを上位に掲載することが効果的です。
【SEOとリスティング広告の使い分け】
- すぐに集客をおこないたい場合はリスティング広告
- 長期的な効果を狙う場合はSEO対策が重要
ポイント②:ユーザー目線のコンテンツ強化が重要
コンテンツを充実させることで、ユーザーに有益だと感じてもらえるウェブサイトを構築することはSEO、リスティング広告に関わらず重要です。
リスティング広告を配信して流入につながったとしても、ウェブサイトの内容がユーザーのニーズに合っていない場合はコンバージョンを得られません。
AI Overviewによって難易度が上がっているSEOにおいても、小手先のSEO対策ではなくAIによる要約以上に価値のあると感じてもらえるコンテンツ制作が重要になります。
ユーザーが求めている情報は何かという本質的な視点からコンテンツを充実させていくことは、Webマーケティングの成功に欠かせない要素です。
まとめ
本記事で解説した「SEOとリスティング広告の違い」は以下のとおりです。
- 本記事のまとめ
-
- SEOとはウェブサイトの最適化によって自然検索で上位掲載を狙う施策で、リスティング広告とはキーワードが検索された際に表示させる広告のこと
- リスティング広告のメリットは配信すれば必ず上位掲載できる即効性、SEOのメリットはクリック料金が不要な点とクリック率の高さ
- すぐに上位掲載したい場合は即効性が期待できるリスティング広告が適しているが、SEOも併用することがおすすめ
- SEO対策としてのコンテンツ強化はリスティング広告の効果改善にも繋がる
中小企業では、目先の売上をリスティング広告で上げながら、広告費を少なくするためにSEOだけでなく動画も取り入れるなどコンテンツを強化する戦略がベストではないかと考えています。
というわけで今回は以上になります。
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