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品質スコアとは?上げるための改善方法や概要を分かりやすく解説

品質スコアとは?上げるための改善方法や概要を分かりやすく解説
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※このページは2025年3月31日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「Google広告の品質スコアを上げたい」
「推定クリック率、ランディングページの利便性、広告の関連性の改善策を調べている」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり13年になりますが、品質スコアを上げる方法についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

品質スコアとはGoogle広告においてキーワード・広告・ランディングページの品質を評価した数値で、費用対効果の改善や上位掲載に役立つ指標です。

結論から書くと、以下の3つを改善すれば品質スコアは上がります。

品質スコアの3要素の図

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

品質スコアとは

品質スコアの概要や広告の品質との違いについて解説します。

1. 品質スコアの概要


品質スコアとは、Google広告においてキーワードや広告、ランディングページの品質を表す指標のことで、1~10段階の評価になっています。

リスティング広告のクリック単価や掲載順位を決定する際の判断材料の1つである「広告の品質」を広告主が確認する際の参考となります。

掲載順位はユーザーの検索条件など外的要因も含めて複合的な要素で決定されますが、大まかに把握する上では以下の式で算出される「広告ランク」に基づいていると考えることができます。

【広告ランクの計算式】

掲載順位の参考となる計算式の図

2. 品質スコアと広告の品質の違い

多くの人が把握できていないのが、品質スコアと広告の品質の違いについてです。

結論から言うと、広告の品質を決定する要素のうち広告主側で改善できる要素だけを数値として評価し、確認できるようにした指標が品質スコアとなります。

品質スコアと広告の品質の違いの図

それぞれの定義について改めてまとめると以下になります。

【品質スコアとは】

  • 推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性の3つの要素を総合して算出される
  • 広告の品質評価の結果を広告主が確認する際の目安
  • ユーザーの検索条件などの外的要因は含まれない
  • 掲載順位を決定する際の直接的な判断材料にはならない

参照:品質スコアについて – Google 広告 ヘルプ

一方、広告の品質は「検索広告をユーザーが目にした際のエクスペリエンスと、ランディングページへ進んだユーザーに提供されるエクスペリエンスの質を推定したもの」とされていて、一見品質スコアとほぼ同義のようですが、厳密には異なります。

【広告の品質とは】

  • 品質スコアの3要素に加えてユーザーの検索条件など外的要因が含まれる
  • 個々の検索のコンテキストによって変化する
  • 「広告の品質」自体を数値として広告主が確認することはできない
  • 掲載順位を決定する際の直接的な判断材料の1つ

参照:広告の品質について – Google 広告 ヘルプ

少しややこしいですが、品質スコアを参考にして改善策をおこなえば、広告の品質も上がるため、違いについてそれほど細かく把握する必要はありません。

3. 構成要素が「平均より上」だと高くなる

下記は弊社の運用事例ですが、「平均より上」の項目が多いほど品質スコアが上がることが分かるかと思います。

Google広告、品質スコアのキャプチャ

つまり、推定クリック率、広告の関連性、ランディングページの利便性を改善すれば品質スコアは上がります。

「平均より上」の場合ならば、問題なし。
→「平均より下」「平均的」の場合は改善の余地あり。

品質スコアを構成する3要素

品質スコアを構成する3つの要素について解説します。

要素①:推定クリック率

Google広告の推定クリック率とは特定のキーワードがクリックされる可能性を示す指標で、キーワード自体の過去の掲載結果をもとに算出されます。

検索語句がキーワードと完全一致する前提で推定され、オークション時には検索キーワードやデバイスなどの要因を考慮してより正確な値が計算されます。

ステータスは「平均より上」「平均値」「平均より下」の3段階で表示され、低い場合は広告文の改善が推奨されます。

推定クリック率はあくまで予測値であり、実際のクリック率とは異なり、一時停止中のキーワードは過去のデータを保持するため、評価する際は有効なキーワードに注目することが重要です。

要素②:広告の関連性

広告の関連性(Ad Relevance)とは、広告がユーザーの検索キーワードや意図にどれだけ適しているかを評価する指標です。

検索クエリと広告の内容やキーワードの一致度が高いほど、関連性が高いと評価され、ユーザーにとって有益な広告と判断されます。

関連性の高い広告は、ユーザーのニーズに合致するため、クリック率(CTR)やコンバージョン率の向上が期待でき、より良いユーザー体験を提供します。

「平均より上」「平均値」「平均より下」のステータスのうち、「平均以下」となるとGoogle広告では配信効率が低下する可能性があるため、広告文やキーワードを最適化し、検索意図に合致した内容にすることが重要です。

要素③:ランディングページの利便性

ランディングページの利便性(Landing Page Experience)とは、広告をクリックしたユーザーが遷移するページが、ユーザーの期待やニーズにどれだけ適しているかを評価する指標です。

こちらも「平均より上」「平均値」「平均より下」の3段階で評価され、利便性が高く「平均より上」となるランディングページは、ユーザーにとってストレスの少ない体験を提供し、広告のパフォーマンス向上につながります。

ユーザーが求める情報を適切に提供できると離脱率が低下し、問い合わせや購入などの成果につながりやすくなり、結果としてコンバージョン率の向上が期待できます。

スムーズなナビゲーションや明確な情報提供によりユーザーの満足度が高まり、リピーターの増加や新規顧客の獲得にも寄与します。

広告効果を最大化するためにランディングページの利便性を高め、ユーザーにとって最適な情報や操作性を提供することが重要です。

品質スコアを改善するメリット

品質スコアを改善するメリットを3点解説します。

メリット①:クリック単価が安くなる

Google広告においては、広告の掲載順位を決定するために広告ランク(Ad Rank)が使用されます。

品質スコアが高い広告は、低い入札単価でも高い広告ランクを獲得できるため、同じ掲載順位を維持するために必要なクリック単価(CPC)が低くなり、広告費の削減が可能になります。

品質スコアが低い場合、より高い入札単価を設定しなければ競争に勝てず、広告の掲載順位が下がる可能性がありますが、品質スコアが高ければ、競合よりも低い入札単価でも上位に表示されやすくなり、広告費を抑えながら効率的にクリックを獲得できます。

特に広告予算が限られている企業にとっては、品質スコアの向上によってCPCを抑えることが、広告費の最適化につながる大きな要素となります。

クリック単価が下がることで、同じ予算内でより多くのクリックを獲得できるようになるため、最終的なコンバージョン数を増加させることが可能になります。

長期的な広告運用を考えた場合においても、品質スコアの向上によるCPC削減効果は大きなコストメリットとなります。

メリット②:上位に表示できる

広告ランクが高いほど、検索結果の上部に表示されやすくなり、ユーザーの目に触れる機会が増えます。

検索結果ページの最上部(1位~3位)に表示される広告のクリック率は、下位に表示される広告よりも格段に高いため、広告の掲載順位は非常に重要な要素となります。

特にスマートフォンにおいては画面上部に表示される広告の影響が大きく、スクロールしなければ表示されない下位の広告はクリックされにくくなります。

自社の広告が1位に表示され、競合の広告が3位や4位に表示されている場合、多くのユーザーは最上位の広告をクリックする可能性が高くなります。

品質スコアを向上させることで、広告をより多くのユーザーに見てもらえるだけでなく、競争環境の中で優位に立つことができます。

メリット③:クリック率が上がる

品質スコアが高い広告は、Googleのシステムによって「ユーザーの検索意図にマッチしている」と判断されるため、適切なターゲット層に対して表示されやすくなり、自然とクリック率(CTR)が向上します。

例えば、品質スコアの構成要素の1つである広告の関連性を改善することで検索キーワードと広告のテキストが一致しやすくなり、ユーザーはその広告を自分の求めている情報として認識し、クリックする可能性が高くなります。

Google広告のシステムでは、広告のクリック率が高いほど、その広告が「ユーザーにとって価値がある」と判断され、品質スコアが向上する仕組みになっているため、クリック率の向上 → 品質スコアの向上 → 上位表示 → さらにクリック率の向上という良いサイクルを生み出すこともできます。

推定クリック率の改善方法

推定クリック率の改善施策は2点です。

改善策①:広告文の改善

【推定クリック率とは】

キーワードの過去のクリックと表示回数、現在のクリックと表示回数を参考に未来のクリック率を予想した指標のこと。
平たくいえば、ユーザーにクリックしたいと思わせる広告文かどうか。

中でも推定クリック率は品質スコアの最も重要な要素のひとつです。

【クリックしたいと思わせる広告の訴求例】

  • 価格や数字訴求
  • 限定訴求
  • ユーザーの検索意図にマッチした訴求

【具体的な対策例】

  • 価格を挿入する(ただし高額の場合、効果的ではない)
  • 「リピート97%」など具体的な数値を入れる
  • 「期間」限定や「初回」限定を入れる(●●限定に日本人は弱い)
  • 検索キーワードを広告文に入れる

ユーザーに対して伝えたい内容や注意を引く訴求を含めることも重要ですが、「検索したユーザーが何を求めているか」という視点も同じくらい重要です。

広告文については以下の記事でより詳しく解説しています。
» リスティング広告の広告文の作り方のポイント8選

改善策②:コンバージョン率の改善も意識する

クリック率が上がっても売上につながらなければ意味がないため、コンバージョン率も同時に意識する必要があります。

なるべく多くの人にクリックされるような訴求からターゲット外のユーザーがたくさん流入してしまうより、少し具体的でターゲットユーザーに響きやすい内容にすることで、より質の良いクリックを得ることができます。

【例:高級バッグを販売しているサイト】

  • 「今なら送料無料」のようなお得さをアピール
    →流入したユーザーは商品の値段を高く感じて離脱
  • 「熟練職人が全て手作り」のようなこだわりをアピール
    →高くても質の高い商品を求めているユーザーに響く

【ポイント】

  • クリック率をただ上げるのではなく、コンバージョン率とのバランスが重要
  • 具体的な訴求でターゲットを絞ると、クリックの質が上がる

広告の関連性の改善方法

広告の関連性の改善施策は2点です。

改善策①:タイトルと説明文にキーワードを含める

ご自身でも経験があると思いますが、検索したキーワードがタイトルに入っているリンクはクリックしてみたくなります。

【検索キーワードと広告文の例】

    (例)引っ越し 不用品という検索キーワード
    広告文:引っ越しに伴う不用品処分なら|料金表はこちら

タイトルだけでなく、説明文にもキーワードを入れると効果的です。

タイトル・説明文ともにキーワードが入っていない、説明文にしかキーワードが入っていない場合は広告文を見直す必要があります。

改善策②:サイトディレクトリに沿ったアカウント設計

広告文が同じならばテーマに沿って広告グループを絞り込み、同じ広告グループ内で管理することが重要です。

もし、現在の広告グループ設計が以下の表においてBeforeの状態になっている場合は、Afterのように修正をおこなうとよいです。

▼広告グループ設計の前後比較、Before
広告グループ名 キーワード 広告文
広告グループA キーワードA 広告文A
広告グループB キーワードB 広告文A
広告グループC キーワードC 広告文A
▼広告グループ設計の前後比較、After
広告グループ名 キーワード 広告文
広告グループA キーワードA 広告文A
広告グループB キーワードB 広告文B
広告グループC キーワードC 広告文C

【グループ設計の注意点】

  • PCとスマホ用などデバイスごとにグループを分けない
  • 完全一致と部分一致(インテントマッチ)などマッチタイプごとにグループを分けない
  • 「キーワードごとに広告文を細かく出しわける」という理由で1キーワードごとにグループを分けない

大きくカテゴリーが異なる項目以外はグループをまとめ、とにかくシンプルな設定を意識します。

ランディングページの利便性の改善方法

次に、ランディングページの利便性の改善施策は2点です。

改善策①:ユーザー目線に立ったランディングページ

【ランディングページとは】

広告をクリックして一番最初にたどり着くページのこと。
略してLP(エルピー)という人も多い。

広告が表示され、せっかくクリックに繋がってもランディングページの情報が薄い、信憑性が低いなどとユーザーに思われるとコンバージョンの機会を逃してしまいます。

【意識するポイント】

  • 検索キーワードとの関連性を高め、ユーザーのニーズに応える
  • 広告文での訴求とランディングページのメッセージに一貫性を持たせる
  • モバイルでの操作性を重視する
  • ユーザーに安心感を持ってもらえるよう信憑性を意識する

また、ランディングページは自社のサービスを知らないユーザーに対して見てもらうページなので「何を知りたがっているのか」「コンテンツは最適な量になっているか」とユーザー目線に立って改善していくことが重要です。

改善策②:ページの読み込みスピードの改善

ページがなかなか開かないと、ユーザーは離脱してしまいます。ページの読み込みスピードを上げることは非常に重要です。

ページの読み込みが遅くなる主な原因
  • 画像をたくさん使用することが多い:自然とページが重くなる
  • スマホで閲覧:外出先だとインターネット回線が遅い環境かも

【スピードを改善するために対策すること】

  • 画質をできるだけ落とさずに画像ファイルを圧縮する
  • スクロールするごとに画像を遅延読み込み(Lazy Load)させる
  • HTMLやCSSなどのコードファイルの無駄を排除する

【画像ファイルを圧縮できるサイト】

画質を落とさずに画像の容量を落とすには「iLoveIMG」が便利。

【遅延読み込み(Lazy Load)とは】

遅延読み込み(Lazy Load)とは、ページにアクセスしたタイミングですべての画像を読み込むのではなく、スクロールして見え始めた瞬間に読み込むことで、ページの表示を速くするテクニックのこと。
どうしても画質を落としたくない場合に有効。

【コードファイルを軽くして読み込みスピードを高速にする】

  • 無駄なソースコードを削る
  • 起動のタイミングを指定する

ページの読み込みスピードを測るにはGoogleが提供している「PageSpeed Insights」という無料ツールを試してみてください。

ランディングページを構成するファイルを軽量化し、表示速度を向上させるためのひと手間をかけることが大切です。

まとめ

本記事で解説した「Google広告の品質スコアを上げるための改善方法」については以下のとおりです。

本記事をまとめると下記のとおりです。

本記事のまとめ
  • 品質スコアとはGoogle広告においてキーワード・広告・ランディングページの品質を評価した指標で「広告の品質」を確認する際の参考となる
  • 品質スコアが高いと上位掲載・クリック単価削減・クリック率向上に繋がる
  • 推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3点が「平均より上」の評価となるよう改善する

「どうすれば検索ユーザーにもっと喜んでもらえるだろうか」というユーザーファーストの視点を持つことが重要です。

というわけで今回は以上になります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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