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インテントマッチ(旧:部分一致)とは?フレーズ一致や完全一致との違いを解説

インテントマッチ(旧:部分一致)とは?フレーズ一致や完全一致との違いを解説
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※このページは2024年10月7日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「インテントマッチ(旧:部分一致)について知りたい」
「インテントマッチと完全一致の違いが知りたい」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり12年になりますが、インテントマッチ(部分一致)についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

注:Google広告は部分一致を「インテントマッチ」という名称に変更しました。管理画面上にも反映されたことをうけ、本記事でも新しい名称を使用しています。

結論から書くと、3種類あるマッチタイプの中で最も出稿範囲が広く、現在Google広告が推奨するマッチタイプです。

インテントマッチの広告出稿範囲の図

インテントマッチ(旧:部分一致)とは
  • 全3種類のマッチタイプで最も出稿範囲が広い
  • Google広告が推奨するマッチタイプ

本記事では、インテントマッチと他のマッチタイプの違いやメリット・デメリット、活用のポイントを解説しています。

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

マッチタイプとは

マッチタイプとは、広告を表示する検索語句に対してどの程度厳密にキーワードとの一致を求めるか指定する機能のことです。

全てのマッチタイプにおいて、語順や誤変換・表記違いの検索語句に対しても類似パターンとして広告が表示されます。

マッチタイプのイメージ図

掲載範囲の狭い順に完全一致、フレーズ一致、インテントマッチの3種類あります。

インテントマッチ(旧:部分一致)とは

インテントマッチ(旧:部分一致)とは、キーワードに追加した語句だけでなく、関連する語句に対しても広告が表示されるマッチタイプのことです。

以前は1語キーワードの場合は「完全一致」、2語か3語の場合は「フレーズ一致」のように、語数に応じてマッチタイプの使い分けをおこなっていましたが、現在Google広告はすべてのキーワードにおいてインテントマッチを推奨しています。

【Google広告がインテントマッチを推奨している理由】

  • 出稿範囲が広く機械学習の効率化に繋がるため
  • 自動入札の向上につながる

出典:インテントマッチのご利用ガイド – Google広告 ヘルプ

【インテントマッチキーワードの例】

設定キーワード:フィットネスジム 新宿
広告が表示される語句:ジム 新宿 料金ダイエット 短期間
広告が表示されない語句:ランニングシューズ
記号:キーワード(なし)

【インテントマッチの特徴】

  • Google広告が推奨するマッチタイプ
  • 関連語句や類義語、最近の検索内容も含まれる

インテントマッチと部分一致の違い

部分一致は「インテントマッチ」という名称に変更されましたが、機能的には全く違いはありません

部分一致は20年以上前に開発された機能で、当時は掲載範囲が広すぎて配信精度が下がってしまう懸念もありましたが、現在ではAIの発達に伴って飛躍的に性能が向上したことから、名称も新しくなりました。

今後デジタルマーケティングにおいて、検索のインテント(意図)が重要になるという意味が込められています。

名称の変更に伴い今後より活用の幅が広がることが予想されます。

(参考:検索広告の部分一致を「インテント マッチ」へ改称した理由とは -Think with Google

インテントマッチと完全一致との違い

完全一致とは、設定したキーワードと全く同じ検索意図だけに広告を配信するマッチタイプのことです。

以前は、設定したキーワードの文字列と完全に一致する語句に配信される仕様となっていましたが、現在は検索意図の完全一致となっています。

そのため、同義語や語順・表記違いの検索語句でも検索意図が一致していれば配信がおこなわれます。

【完全一致キーワードの例】

設定キーワード:[フィットネスジム 新宿]
広告が表示される語句:新宿 フィットネスジムスポーツジム 新宿
広告が表示されない語句:フィットネスジム 新宿 価格
記号:[キーワード]

【完全一致の特徴】

  • 設定したキーワードと検索意図が完全に一致した場合、広告が表示される
  • 同義語や語順・表記違いでも検索意図が同じであれば広告は表示される
  • 検索意図が少しでも異なる広告は表示されない

インテントマッチとフレーズ一致との違い

フレーズ一致とは、設定したキーワードと同じ意味の文言を含む場合に広告が表示されるマッチタイプのことです。

掲載範囲の広さとしてはインテントマッチと完全一致の中間と言えます。

【フレーズ一致キーワードの例】

設定キーワード:“フィットネスジム 新宿”
広告が表示される語句:ジム 新宿 おすすめ新宿 スポーツジム 会費
広告が表示されない語句:新宿 ヨガスタジオ 人気
記号:”キーワード”

【フレーズ一致の特徴】

  • 設定したキーワードと、同じ意味をもつ文言を含む場合に広告が表示される
  • 掲載範囲の広さはインテントマッチと完全一致の中間

フレーズ一致については、以下の記事で解説しています。
» フレーズ一致とは?インテントマッチ(部分一致)との違いについて解説

参考:部分一致と絞り込み部分一致との違い

絞り込み部分一致は、既に廃止されています。

しかし、絞り込み部分一致についての情報を探している方も多かったので、補足として記載します。

Google広告の仕様変更後は、絞り込み部分一致での新規キーワードの作成はできなくなりました。

また、作成済みの絞り込み部分一致キーワードは、フレーズ一致と同じ働きをします。

【絞り込み部分一致の特徴】

  • 絞り込み部分一致は、フレーズ一致に組み込まれた
  • 絞り込み部分一致の新規キーワードは作成できない
  • 作成済みの絞り込み部分一致はフレーズ一致と同様の働きをする

最新の情報に関しては下記の記事がおすすめです。
» 絞り込み部分一致とは?最新のアップデートについても詳しく解説

インテントマッチのメリット

インテントマッチのメリットを2つ解説します。

メリット①:多様なシグナルを利用できる

インテントマッチは、ユーザーの意図を判断するためのシグナルの種類が最も多岐にわたるマッチタイプでもあります。

Broad match is the only match type that uses all of the signals available (i.e. landing pages, other keywords
in the ad group, previous searches, user location, etc.)

出典:Unlock the Power of Search – Google Ads

以上の引用によると、インテントマッチは全ての利用可能なシグナル(ランディングページ、広告グループの他のキーワード、過去の検索、ユーザーの所在地)を使用する唯一のマッチタイプです。

幅広いシグナルからユーザーの意図を汲み取ることで、他のマッチタイプでは配信できないようなターゲットにもリーチできる点は大きなメリットと言えます。

【インテントマッチでのみ加味されるシグナル】

  • ランディングページの内容
  • 広告グループに含まれる他のキーワード
  • 過去の検索
  • ユーザーの所在地

メリット②:機械学習と最も相性が良いマッチタイプ

インテントマッチは幅広い検索語句に配信がおこなわれるため、配信データの蓄積がしやすく、機械学習と最も相性の良いマッチタイプです。

反対に、インテントマッチを使用しながら機械学習を活用できていないアカウント設定になっていたり、コンバージョンデータが月3~5件未満など少ない場合は、インテントマッチでは広告効果が出にくいこともあります。

【インテントマッチと機械学習】

  • インテントマッチは機械学習と最も相性の良いマッチタイプ
  • 機械学習がうまく機能しない場合はインテントマッチが不向き

インテントマッチのデメリット

インテントマッチのデメリットを2つ解説します。

デメリット①:無関係なユーザーが流入しやすい

インテントマッチにおいて配信範囲の広さはメリットでもありますが、関連性の低いキーワードでの配信が増えてしまうこともあるので注意が必要です。

コンバージョンに繋がらないユーザーのクリックが増えると無駄な広告費の発生に繋がるため、除外キーワードを設定することで費用対効果が下がらないように対策します。

【無関係なユーザーの流入】

  • 関連性の低い検索語句にも表示される
  • 除外キーワードで流入を防がないと費用対効果が下がる

デメリット②:除外キーワードを設定するメンテナンスが必要

前述の通り、インテントマッチを使用する場合は除外キーワードによるキーワードの絞り込みをおこなわないと費用対効果が下がってしまう可能性があります。

定期的に管理画面から配信されている語句を確認し、関連性の低いキーワードや効果に繋がりにくい競合他社名などを除外する作業が必要になる点はデメリットと言えます。

【インテントマッチのメンテナンス】

  • 管理画面から検索語句を確認する
  • 関連性の低い語句は除外する

インテントマッチの活用ポイント

広告運用において、インテントマッチを効果的に使う方法について解説します。

ポイント①:自動入札を活用する

インテントマッチの効果を最大限発揮するためには自動入札との併用が欠かせません。

自動入札とは目標CPAに合わせてAIが入札価格を決定する機能で、広告アカウントのコンバージョンデータの加え、ブラウザや言語設定など詳細なユーザーの検索コンテキストが総合的に加味されます。

【自動入札とは】

  • 目標CPA内になるようにAIが自動で入札をおこなう機能
  • 広告アカウントデータやユーザーの検索コンテキストを総合的に加味

インテントマッチと併用することで、幅広い検索語句の中でも効果の出やすいコンテキストに、適切な入札単価で入札をおこない、効果の最大化を目指します。

ポイント②:除外キーワードを設定する

除外キーワードとは、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に広告を表示させない設定のことです。

ユーザーの絞り込みをおこなうことで、効率の良い配信をおこなうことができます。

除外キーワードの設定パターンは、無関係なキーワード・競合他社に関連するキーワード・ネガティブなキーワードの3つが主になります。

【例】新宿にあるフィットネスジムにおいて、新宿以外を除外する場合
キーワード:近くのジム(インテントマッチ)
除外キーワード:“渋谷”(フレーズ一致)
広告を表示しない検索語句:フィットネスジム 渋谷

下記は除外キーワードを継続的に設定したことで改善した事例となります。

▼弊社運用事例
除外KW
追加数
コスト CV CPA
1ヶ月目 61個 1,498,021 921 1,626
2ヶ月目 111個 2,400,398 1,596 1,504
3ヶ月目 80個 1,988,543 1,490 1,335
4ヶ月目 124個 2,044,666 1,644 1,244
5ヶ月目 101個 2,514,482 2,317 1,085

除外キーワードについては以下の記事で詳しく解説しています。
» 除外キーワードとは?設定方法やマッチタイプについて詳しく解説

まとめ

本記事で解説したインテントマッチの特徴やメリット・デメリット、活用のポイントは以下のとおりです。

繰り返しになりますが、インテントマッチは多くのユーザーに広告を配信し、自動入札との組み合わせで効果的を発揮するマッチタイプです。

インテントマッチが推奨とはなっていますが、各マッチタイプの特徴を把握した上で必要に応じて使い分けができると良いです。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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